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- saito hikaru

- 7月30日
- 読了時間: 1分

肌寒い冬の朝、まだ結婚する前の話です。
会社に通勤するため道路を歩いていた時、隣に白い子馬が並行して歩いている幻を見ました。
とても白い体毛に包まれ、瞳の色は澄んだ水色。
立て髪は七色のような、不思議な光沢を持っているような。
立て髪の色がよく見えなかったその理由は、オーガンジーのような透け感のある花嫁のベールをかぶっていたからかと思います。
もしかしたらベールの下には一角があったかもしれません!

その白い馬は、しばらく私のそばにいました。
もちろん乗れないし、撫でることもできませんが、
隣を同じ速度で歩いて、夜眠る時も側にいて、綺麗な瞳でじっと見つめていました。
家庭を持ち、子育てに翻弄される毎日で忘れがちになってしまった白い馬です。
そのような生活の最中、たまに思い出して「ウマちゃん」と心で呼ぶと、そっと隣にいる感覚がします。
初めて会った時よりも大きく成長しているようです。
柔らかいベールが肌に触れてサラサラとくすぐるような感覚と、体毛の柔らかさ。
澄み切った宝石よりも美しい瞳がこちらに向くのを感じます。
ウマちゃんはなんとも言えない幸福感を運んでくれます。

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