こちらは、栃木県足利市にて開催した「いろとりどりのゆめ とちおとめが降る空」という個展で発表した作品です。
作品の画面左下の老夫婦、頭部が輝かしいなあ・・・というおじさんがうっすら存在しています。
これは以前描いた作品に登場した「コアラ先生」という方です。
このコアラ先生、自分が喋り出すと周りには、ピンクのコアラが大量に発生させるという不思議な力を持っています。
どうして足利の街にイチゴが降ってきたのか、個展では小作品で展示させていただきました。
足利市には、日本最古の「足利学校」があります。
そんな歴史的な経緯深い場所で教鞭をとっていたコアラ先生ですが、なんだかイチゴ農家に憧れてご夫人とイチゴ栽培を始めたそうです。
どこからともなくやってくるピンクのコアラ、コアラ先生が見ない間に苗植えが進んでいきます。
足利はとても夏、暑いです。40°を超える時もあるそうです。
コアラたちはイチゴが枯れないように、コアラ先生の知らぬ間に水やりもしっかりやっちゃいます。
越冬のために、藁を敷いてイチゴの冬眠のサポートをしているようです。
足利は冬、寒いです。
季節は春になり、イチゴの花が咲きました。
受粉のため、もけもけの綿棒を持ってみんなで花の真ん中を優しく、くるくるします。
春の暖かさが気持ちいい季節になり、美味しそうなイチゴが色づき始め、収穫だ!というその時、
突然沢山のいろとりどりの鳥がやってきました!
なぜか鳥たちは一斉に真っ赤に実ったとちおとめを摘んで飛んでいってしまいました。
どこに行くのやら、とちおとめ・・・
突然の鳥たちによる収穫祭の後、
とちおとめが足利の様々な場所に降り注ぐ大事件が起こりました。
コアラ先生は街にイチゴが降り注ぐ現象を見て、戦々恐々としました。
ところが、空から降ってきたとちおとめを人々が食べると大変美味しいのでした。
一粒食べると、たちまち笑顔が咲き、疲れが取れるのです。
ときめきのような、キラキラした気持ちが湧き出るのです。
足利の街は、とちおとめの降る日に甘い香りでいっぱいになったのでした。
コアラ先生は「まあ、いっか!」と立ち直りました。
コアラ先生は、結局自分で育てたイチゴを数粒しか食べられなかったのですが、
来年こそは自分もいっぱい食べられるくらいのイチゴを育てたい!
そしてやっぱりビニールハウスを作ってみようかな!
と思うのでした。
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