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色とりどりの夢


こんにちは!

だんだんと桜が開花してきて、いよいよ春!という感じになってきました。

今年の春から、東京都世田谷区の福祉施設に「色とりどりの夢」という作品が常設される事になりました。

とてもとても嬉しいです!貴重な場所に飾っていただき大変ありがとうございます!!

この作品は元々8枚のパネルをひとつなぎにしたもので、今回は前半、後半の二枚に分けて額装しました。

↑こちらが制作していた時の風景です。

部屋いっぱいにパネルを並べて左右に体を動かしながら描き進めていました。

実はこの作品、2016年の韓国の釜山で開催されたグループ展で発表したもので、ちらりと前の記事で紹介しておりました^^

でも2つの展示が終わったばかりの時で、色々慌ただしかったので作品の紹介ができずに終わっていました・・・。

なので、今回改めて「色とりどりの夢」についてのご紹介をさせていただきたいと思います。

「色とりどりの夢」という日本画の作品は、私が実際に見た夢の風景からインスピレーションを受けて描いたものです。

夢の中で私はどこかの会社か公共施設のような場所のある一室にいました。

そこは8畳ぐらいの小さな部屋で、天井には蛍光灯が並んであり、部屋の出入り口は一つ。

部屋には黄身がかったグレーの長机が4台ぐらいあって、出入り口のすぐ横には赤い自販機一台。

自販機側の壁の反対側にはスチールでできた窓ガラスのはめてある引き戸付きの本棚がありました。

よく見るとその中には100羽ぐらい、いろんな色の小さな鳥たちが閉じ込められていました。

青色の鳥、赤とかオレンジとかいろんな色を持っている鳥など、様々でした。

鳥たちの足元には餌らしい物が敷かれていたのですが、げっそりして食べる気もないのか口をつけた様子がありませんでした。

ただ元気のない姿でこちらをじっと見つめていました。

夢の中の私は、その鳥たちが誰が飼っているのか分からず・・・でもあまりにもかわいそうで、

後で叱られてもいいや!ごめんなさい〜!という気持ちで

本棚の引き戸を開けて、部屋の窓を開けて、鳥たちを逃しちゃいました。

鳥たちは窓が開いたら勢いよく外へ飛んでいき、もう部屋には帰ってきませんでした。

そんな夢をみました。

私はこの不思議な夢での出来事が気になって、私なりにさらにアレンジして絵にしてみました。

絵の構図は、右から左に時間が流れるように動きをつくりました。

右端のスタート地点には、白い花に座る可愛い鳥たちを描きました。

頭や首、胸や翼にまでアクセサリーをつけています。

鳥たちは花嫁のように装っています。

そして鳥たちはだんだん飛ぶようになります。

山を越えて、大空を飛び、

大きな飛行船の横も旋回しながら

どんどん飛んでいきます。

最後、左端の鳥たちはキラキラ〜!眩しい!!という感じに飛んでいます。

実物も金箔を使っているのでギラギラしてます。

最初鳥たちが装っていたアクセサリーは、空を飛んでいる途中吹っ飛んでしまいました。

自分が見た元々の夢がどんな意味だったのか、未だに謎なのですが

この絵を描きながら思ったのは、

自分の中で閉じ込められているもの。

綺麗に飾り付けられていて、動かしたくないもの。

そういった物を外に放つのは勇気がいるのですが、

出してあげてこそ、もっと輝く事もあるのかなという感じです。

頑張って装った飾りが吹っ飛んでなくなっても、

綺麗な羽を鑑賞したり手入れをする暇が無くなっても

飛ぶ事ができるうちは、飛んでいる姿がもっと美しいし、活気があって、

じっとしている時よりも、生きる甲斐を感じるような気がします。

「色とりどりの夢」は、そんな感じのメッセージを言っている気がします。

今後世田谷区にある、そのスペースで作品に出会う人たちに

色とりどりの鳥たちが羽ばたくエネルギーを飛ばし続けてくれますように^^

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