I am Elefant.

「私は象」




2023年のカレンダーの3月の作品は「私は象」という物語のワンシーンから取りました。



「私は象」は、朝の通勤電車に座っていたある日、脳裏に降ってきたストーリーです。

私は今まで「物語」を描いたことはなく、脳に物語の形で作品が降ってきた時は本当にびっくりしました。

私の中の常識?「1構想につき作品1枚」から脱出したきっかけの作品でした!






この作品が生まれるきっかけとなったのは、ある有名な日本にいらっしゃるデザイナーの先生との出会いです。

私の人生で、その先生の側で一緒に働けた事は奇跡中の奇跡だと思います。

その先生は、デザイナーと一口では言い表せない、本当に様々な表情を豊かに持っていて、

作品もお人柄も、どこまでも不思議で、芯が強く、温かな方です。

世界を探し回っても、唯一の色彩と世界観、製品を手に取った時に元気になるような力が溢れた製品。

思わず「きゃー可愛い!」と人々を虜にしてしまうアイテムを数十年間、



世に送り出して多くの人々に幸せをもたらして来た方が、その先生です。

もう一度言いたいです、その先生の側で一緒に過ごせた事は奇跡中の奇跡だと思います!

その方の手から、仕事の作品以外にも次々と手編みの帽子やアクセサリーや、



一点ものの可愛らしい、乾いた心が潤っていくような感覚を覚えるような作品がどんどん生まれていくのです。


先生は「生活が基本!」とよく言っていたような。

多忙だとついつい疎かになってしまうような、食べることも、服を着ることも、出かけることも、家族の献立を準備することも。

その時旬な食べ物を急いで調理して、最高に美味しい瞬間を逃さず楽しんだり。

生活の中で、仕事のように特別に制作の時間を作るのではなく、作品がある時自然発生するような。

やるべきことが積み上がっている現実を前にして、それらを丁寧にすることは一見遠回りのような気もするけれど、

実際に生み出している方を目の当たりにすると、生活って本当に作品に直結するのだなと感じるしかありませんでした。




私も先生のそばで文旦を一緒に食べたり、りんごを切ったりしながら私も「生活が基本」を大事にしようと意識するようになりました。



一つ一つの日常を丁寧に。

作品を豊かに育て、生むことに繋がることを信じるしかありませんでした。

そしてある日、自分もそのような理想の姿で作品を作っていきたいなあと考えていたとき。

「私は象」の物語が降ってきました。


象は大切な人に会ったときに喜ばせたいとプレゼントを考えているようです。

象にとっては、寝ても覚めても、どんなことも、

大切な人に会うことに繋がり、なんでもない日常が時間があってもあっても足りないくらい忙しいのです。


楽しくて、楽しみで、仕方がない、無敵状態です。

第三者から見ると「お花畑〜」と揶揄されてしまうような、理解されないようなキラキラっぷりかもしれませんが、

それでも象は、人生でその人に会う最良の日に向けて、最善を尽くしています。



作品のおちは、「私」は象ではなく、ある女性の夢だったという場面で終わるのですが、


寝ても、覚めても、どんな姿でも。


どんな場所にいても、手足が変わっても、


例え夢の中で自分が動物になっていたとしても、

最善を尽くして生きようとする本質は、変わらないキラキラした力を持つのではと思って描きました。