星空の海を悠々と泳ぐ、ちょっと不思議なウミガメがいました。
ウミガメは足利の街をお散歩していたところ、窓の外を見つめるナイトキャップを被った少年と目が合いました。
少年がウミガメに言いました。
「やあ、良い夜だね!君は、ウミガメなのに空飛べるなんてすごいね!
僕はあの星、いつか捕まえてみたいと思って見ていたんだ。君は星を掴んだ事あるの?」
ウミガメは少年の前に行って、こう言いました。
「あの星たちは実はとても大きいから、君の手では掴むのは難しいよ。
僕はね、小さな星をたくさん持ってる。
これをあげるよ」
ウミガメは丸々としたオレンジのような、小さな星を見せてあげました。
星のような輝きを持った気もするし、どことなくオレンジのような爽やかな香りがする気がしました。
ウミガメは言いました。
「星のからを剥いたら空中に浮かぶようになるよ。」
試しに一つ手にとって、ちょっと窪んでる所に自然と親指に力がはいりました。
ブスッと穴が空いて、そこからみかんの皮のようにムシムシと皮を剥いてみます。
殻は剥き終わると爽やかなオレンジのような香りを残してどこかに消え、中の星だけになりました。
「これ、いっぱいあるよ。どうするの?」
「星を空に植えて育てるんだ。」
「なんか種まきみたいだね。そうだ!これを空で繋げたら星座になるかも。ねえねえ、一緒に星座を作ろうよ」
実は「星座を作る少年」は、物語のある作品群でした。
星には殻があって、それを剥くと星座の材料になる、という謎の構造?は、ある出来事に遭遇して思い浮かんだものです。
私が地下鉄に乗っていた時のことです。
日中だったため車両は空いていましたが、私の隣、一人分の空間を開けてお爺さんが座りました。
するとすぐにビニール袋からみかんを取り出して、
電車内で剥いて、食べて、なくなったらまた剥いて、食べてを繰り返していました・・・。
最初は未知との遭遇で恐怖だったのですが、
だんだんと、みかんの良い香りが車両に漂うようになり
なんだか思わず癒されたんですよね。
それでもこの電車での不思議な体験を作品にしたい!と思って、この作品ができました。
今回の星座作品は、「エビフライ座」と、「ぎょう座」と、「食パン座」でした^^
夜空に浮かぶ星座はどれも少年の好物だそうです。
特に食パン座はちょっと立体的に表現するのを頑張ったそうです。
またどこかで、この作品のシリーズ、そして物語を発表できたらと考えています。
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